6月26日(火)東京ドーム、セリーヌディオンの公演に行って来た。
前回は(2年前だったか?)セリーヌの旦那様の看病に専念するとの理由から、楽しみにしていた日本公演はキャンセルになったので、今回はトラウマもあり、当日まで本当に彼女の歌を聴く事ができるか不安いっぱいだった。
前回キャンセルになったショックは、しばらくの間、引きずったから。
だけど実は私、セリーヌの事は大して詳しくもないし、大ファンでもない。
が、同年代の一人の女性として、彼女の生き様に興味があったし、代表作のひとつでもある「To Lave You More」を直に聴きたかったのだ。
この曲は、私の人生の中で思い入れTOP5に入るのだ。
期待通り、唄ってくれた。鳥肌が立った。
彼女の声量・独特の歌いまわしは、圧巻だ。
さすが歌姫。これぞ歌姫。姫と呼ぶには、彼女ももう50才だが・・・
あのスタミナ、声量、50才であれは、超人だ。私には真似できない!(当たり前である)
ラストソングにタイタニックのテーマ「My heart wil go on」を更にパワーアップして唄い、最高の夜を閉めくくってくれたが、もう同じ人間とは思えない。
セリーヌを見るのは今回が最初で最後だったかもしれないが、これからの彼女の生き方は、注目して行きたい。
彼女の歌は、もはや歌の域を超えている。メロディーがついていなかったら、演説か、性を持った動物の雄叫びの様である。
彼女の表情を見ていると、憂いをまず感じる。そして、憂いと闘う強い眼差しが、私の心に突き刺さった。
最愛のパートナー”レネ”を亡くし、まだ二年である。私もついつい、彼女をそう云う目で見てしまうが、セリーヌが唄っている時に感じる不思議な空間は、愛する夫レネがいるからだ。
セリーヌが12才で出逢った、のちの夫であり、マネージャーでもあったレネ・アンジェリル・・・
数年のガン闘病の末2016年に亡くなったが、知る人ぞ知る二人の愛の秘話は、女性の生き方に影響を与えていると思う。
セリーヌの一途な愛。ただ、好きとか嫌いとか、条件云々のレベルではない。
沢山の中から自分を見つけてくれた、全てを賭けて一流に育ててくれた彼と、男と女を通り越した運命共同体となったのだ。
羨ましいと思う。
セリーヌのその人間性が何によって形成されたのか、もっと知りたいと思った。
人は、こうやって、何かに興味を持っていくものなんだろう。
彼女は、これまで何人もの身近な、大切な人を失っている。
愛する姪っ子、レネの二日後に亡くなった兄、本来は生まれて来ただろう、我が子・・・
セリーヌは本当に心の底から人の”死”を受け止め、現実を受け入れる事の出来る人だと思う。
ふつう本当に大切な人を亡くしたら、後を追って死にたいと思ったり、心の病にかかったり、現実逃避をして、自暴自棄になったりするだろう。
私がセリーヌ・ディオンという女性に興味があったのは、そこである。
最愛の人たちの死と正面から向き合い、彼らを背負って生きている彼女の歌、表情には、まるで戦場にでもいるかの様な、
「覚悟」を感じる。けしてぶれない覚悟だ。
私の人生に欠けている物だ。だから彼女の事が気になっていたのだ。
人は、映像越しでは分からない、同じ空間で会ってこそ感じ取れるモノがある。
行って良かった。
雲の上の存在なのに、同じ人間、女性、そして子を持つ母、大切な人を亡くした者として何故か身近に感じた。
そして歌によって「生きる覚悟」を魅せてくれた。
ありがとう!セリーヌ・ディオン。